Q:問診票、こんなに沢山あるのですか?

漢方Q&A
A:はい、漢方の視点から体質やお身体の不調を紐解く為に必要です。

漢方相談を受けられる時の問診票の項目の多さに驚かれる方は多いです。
WEB漢方カウンセリングのご予約後にお送りする問診票も、お答えいただくのに15分程度のお時間を考えていただければと思います。

漢方の基本は「病気はなく病人をみる」ことです。
病気そのものを治すというより、病にいたってしまった体調や体質を本来あるべき姿に戻す為には、気になる不調にだけ目を向けるのだけではなく、その方のお身体全体の様子を知る必要があります。

漢方の柱の一つに「整体観念せいたいかんねん」という考え方があります。
これは、「人は大宇宙である自然に対応した小宇宙であり、人体は一つの統一された整体で、外界・自然環境とは密接な関係がある」という考え方です。
人の身体は器官や臓器が個別に機能しているのではなく、それぞれが密接に関係しています。例えば、頭痛のご相談者に胃腸の具合を、不眠のご相談者に眼の症状を、「そこ、関係あるの?」と思われるようなお身体の部分をお尋ねすることがあるのは、この為です。

人体が自然界の一部である以上、自然環境や季節、気候の変化は必ず人体に影響すると考えられています(「天人合一てんじんごういつ」)。
お住まいの地域や季節での症状の変化、お仕事や家庭環境までお尋ねするのは、この為です。

また、漢方では「心と体はお互いに強く影響し合う」と考えます。(「心身一如しんしんいちにょ」)
喜怒哀楽の感情と臓器を関連づけ、感情の変化をけつすい(身体を構成するもの)のバランスの崩れと捉えます。
身体的な症状だけでなく、お心の部分までお尋ねすることがあるのは、この為です。

多岐にわたる問診票の意義についてお話いたしました。
「根掘り葉掘り訊かれて、丸裸になった」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
その方にとって大切な話を沢山していただく分、真摯に耳を傾け、精一杯「健やかな毎日」に向けて伴走していきたいと思っています。